おとなの勝手に綴る読書感想文

乱読家が読んだ本の感想を書いていくだけのブログ

じわじわと迫る狂気が体感できます

お手軽にじわじわ迫り来る狂気を体感することができます(笑)

 

こんなできます!嫌ですね〜

 

 

今日読んだのは太宰治人間失格文豪ストレイドッグスでは太宰治の異能として名前が使われている作品です

昔読んだときは酷い大人がいると思うのと同時に、こんな男に引っかからないと息巻いていましたが、歳を経てやはり違う感想になりました

 

尚、iBooksで無料で読めます

 

 


人間失格 (角川文庫)

 

 

人間失格

著者 : 太宰治

 

 

葉ちゃんと呼ばれる政治家一家の末子の自伝的な物語になっています。それを最後、太宰治が知り合いのバアのマダムからノートとして譲り受けて本にしたとなっています

体裁的にはそうなってます

後書きで、彼は狂人だとなっていて確かに最後だけ見たら狂人だと思いますが。人間失格を通して彼が狂人になるまで全てを読んだ私はなんともそう思えなくて、太宰治の上手さにちょっと怖くなりました

 

 

 

 

あらすじ

幼い頃から他の人と感性が合わず、それでも合わないことが恐ろしいことだと思う彼はわざと道化を演じてみんなを楽しませる「いい子」でした

中学高校に進み、その感性に共感できるはじめての友人ができて、彼に画家になれるよ、と祝福されるも、父親に高校に進み官吏(公務員)になりなさいと命じられて、東京に向かう。

高校の寮生活は、寮生活独特の集団生活が合わずに父親が仕事で使っている東京の家に転がり込む。寮生活から抜け出して学校に通うと、学校で疎外感を覚えて人と異なる事に恐怖します。

家の近くに画を習える場所があり、そこで出会う堀木と共に東京を快楽的に遊び歩く。はじめはちょっとだけのはずが、娼婦たちの商売的な割り切りの関係がそれまでの人間関係に疲れた彼にはちょうど良く、のめり込んでしまう。

その後、父親は東京での仕事を終えて家を引き払うことになり、これまでのお坊ちゃん生活から普通の学生の生活になるが放蕩的な生活から脱せずにお金がなくなってしまう。

そんなときにお金がない彼を優しくしてくれる女性と出会う。彼女の旦那は刑務所におり、彼女はカフェ(作中の描き方からキャバクラ等にあたるのではないかと思う)の店員をしながら日々を過ごしている。彼女に惹かれ、彼女も彼に惹かれて、2人は世の中の辛さに情死(心中のこと)を行うが彼女だけがなくなり、彼は生き延びる。

その後、父親に縁を切られて、東京で女の人のヒモとして生活していくも。ヒモであることに申し訳なさを覚えて流浪していきます。

彼を一途に思う処女の子と結婚し、漫画を書いて生計を立てていたがある日妻が犯されているのを見てしまう。浮気をしていたわけではなく、少し家に上がらせてほしいとやってきた見知った商人の男が人を疑わない妻を騙したのだと解り、誰のことも責めることができなくなる。妻はそれでも申し訳なさを感じて彼に遠慮するようになる。

そこからまたお酒に溺れるようになるが、ある日、喀血をしたことから薬屋で薬を渡される。モルヒネに溺れて一時期は漫画を調子よく描けるも、モルヒネなしに生活できなくなってくる。

そんなある日、砂糖水を飲もうとしたところ砂糖箱に睡眠薬が入っていることに気がついて、そのまま睡眠薬を飲む。

何日も昏睡状態になり、その後に彼は知人により脳病院(今で言う精神科ではないかと思われる)に送られることになる。

その後、父親がなくなり、兄たちが東北の田舎で療養して暮らさないか?と話を持ちかけてくれる。兄たちは彼のために家と世話をしてくれるおばあさんを用意してくれた。彼はそこで生活しはじめる。

最後はお世話のおばあさんが間違えて買ってきた下剤を飲んで「うふふふふ」と笑う彼が描かれる。

 

 

 

最終的な彼の状態にはなにも同情も共感もできないにも関わらずはじめから順を追って読んでいくと恐ろしいぐらいに共感できるところが太宰治の書き口の怖いところだと思います。

日本人だと他の人と異なる、世間と違うというのは怖いと感じる人が多いのだと私は考えています。

それが極端に恐ろしいことだと感じている少年がその気持ちに気づいてもらえないままに成長していき、人間関係に疲れて人生を踏み外していく物語です

 

 

一つ一つの物語は理解出来てしまう。繋がると狂人の物語になる。それが人間失格の怖いところだとおもいます

 

人に楽しんで貰いたくて、少しの嘘を塗り固めて、物事を誇張してしまうことはあるように思えます。私は経験があります、そして繰り返すとどうにも息苦しくなってそこから逃げ出したくなるような気になってきます。そうして私は学校や職場を逃げ出してしまいたくなります

 

仲良くなった人から君は〇〇だね、と言われたら本当にそうなれるような気がします

私は頭が良くて体力もあるからきっと自衛官として働いていけるよと聞いて実際に自衛隊に入ってみて、職場とどうにも合わず3年足らずでやめました

 

私は放蕩的な生活を教えてくれる堀木の代わりに、貯金貯金貯金だよ!!と教えてくれる節約家の友人に出会ったのでお金を使わない遊び方、走ったり、絵を描いたり、ネットで小説を書き散らしたりしています。

 

 

こうやって考えると人間失格になるまでの葉ちゃんには深く共感してしまい、堕ちていく彼にゾッとしてしまいます。

今のところ私は放蕩する友人に出会わなかっただけが彼と異なるところなのではないかと思ってしまうぐらいです

 

 

色々考えることができる作品なので、機会があれば読んでみたらいかがでしょうか?

 

 

それでは、またねーヾ(*´∀`*)ノ