人間の汚さに真っ向から向き合っていて、よくこの小説を書き上げてくれたなあと著者の精神力に驚きました。
魔導の系譜を読んでみました。
読み始めて直ぐにこんなに真っ向から差別問題に向き合う小説は今どき珍しいなと思いました。
ちょっとだけ紹介させてもらうと、この物語は人が何を求めているのかを探す小説です。
主人公(?)とその師匠の交流と、成長が描かれていて、その成長がほの暗い世界観と相まって小説に迫力があります。
この世界では、身分制があり、平民の下に魔導師がいる。魔導師は導脈を知るもので先天的に能力を授かりますが、魔導師が一家からでることは恥であるという世界です。
赤子が能力を見せると、そのせいで破綻する家族も多く描かれています。
そんな世界に生まれた魔導師なのに、魔導能力が低いレオンは懸命に師匠から魔導を教わり、弟弟子に勉強を教えるなど努力家な魔導師でした。
しかし、彼には決定的に導脈の力がなく、最下層の魔導師として生きていくに必要なギルドに呼ばれることができず、引退する師匠の学舎を継ぐことになります。
教える才能は高かった彼の元には他の魔導師が育てることを諦めた魔導師の卵が送られてきて…
といった内容です。
当然のように差別されるレオンや主人公の姿に苛立ちをはじめは覚えるのですが、途中からもうそういう世界なんだ…と諦めながら読んでいました。
ところが…!?
綺麗にスッキリ終わらないところが、ややリアルなファンタジーでした。
第二部に続くみたいです(´-ω-)ウム
私としてはとても続きが気になります。
この本は、今の日本でもっと広まって欲しいなと個人的には思いました。
特に、差別主義者にこそ読んでもらいたいです。
その差別の先に一体何があるのか、冷徹にこの小説は差別に向き合っています。
歴史や小説の素晴らしいところは、要素を抽出したら今後来るであろう未来が予測できることだと思います。
小説から学べることは多いと再認識しました。
それではまたねーヾ(*´∀`*)ノ