おとなの勝手に綴る読書感想文

乱読家が読んだ本の感想を書いていくだけのブログ

大人になってから読む童話ーくるみ割り人形ー

最近はファッションばかりだったので、たまには物語を楽しもうと思ったのですが、想定外に内容が難しい童話でした。

 

ホフマンの作品、くるみ割り人形とねずみの王さま、そしてブランビラ王女を読んでみました。

 


くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女 (光文社古典新訳文庫)

 

くるみ割り人形

昔の騎兵の姿を模して、クルミを割ってくれる人形、くるみ割り人形をご存知でしょうか。そのくるみ割り人形のお話です。

子ども、マリーちゃんに話しかける体裁を取っているので、比較的(ブランビラ王女)よりは読みやすい作品でした。

 

くるみ割り人形だけで、随分と感想が長くなってしまったので、ブランビラ王女はまた今度感想を述べます。

 

あらすじ

お人形さんを大切にしてくれるマリーちゃんにドロセルマイアー叔父さんから、くるみ割り人形がプレゼントされたところから物語は開始します。

 

くるみ割り人形がとっても品のあるお人形だということで気に入った7歳のマリーちゃんは、兄フリッツが与えたくるみを割り切れず怪我をしたくるみ割り人形を可哀想に思って他のお人形たちと一緒に大切に扱います。

 

くるみ割り人形と、クリスマスに新しくもらったお人形クララを眺めていたマリーちゃんは、くるみ割り人形たち(おもちゃの軍勢)とねずみの軍勢の攻防を目撃し、おもちゃの軍勢を助けるために上履きを投げます。

 

ねずみの軍勢とくるみ割り人形が争っている原因も登場人物は童話的ですが、かなりドロドロしてます。

躾のできていないものたち(ねずみの女王の親族)が引き起こした失態で、ねずみの女王の子どもや親戚は厳罰(死刑)に処され、その恨みでねずみの女王は罰を与えた王さまを逆恨み。

ねずみの女王から呪いを受けた哀れな王女ピルリパットを助けるために、多くの人が奔走し、呪いはまた別の者、くるみ割り人形へ。

ねずみの女王も恨みを抱いたまま死ぬが、喪ったものは戻らず、さらにねずみたちは戦乱へ身を投じる。

 

マリーちゃんの愛情で、呪われていたくるみ割り人形は救われ、そのくるみ割り人形によりねずみたちもやっつけられて、くるみ割り人形たちは無事にねずみたちに勝利。

マリーちゃんは美しいお菓子の国へ招待されて、くるみ割り人形たちに歓待されます。

 

最後、美しい青年の姿に戻ったくるみ割り人形とマリーちゃんが結婚してめでたしめでたし……。

 

感想

ツッコミ入れたい……( ー̀ωー́ )

童話にツッコミを入れるのは厳禁と思いながらも気になる点がたくさんあります。

 

そもそも、マリーちゃん冒頭で7歳と言われていたのに、物語が終わるや否や唐突に結婚します。

くるみ割り人形が人化して現れるまでに時間がかかって、大人になったと見るべきか。それとも、くるみ割り人形とねずみの王さまとの軍勢の戦いが、とても長くその間にマリーちゃんが大人になってしまったのか。

 

私の読み方が浅いのはもちろんだと思うので、他のドイツ童話を読んでもっと理解を深めてからまた読みたいと思うのですが、そもそもの話が難しい。

 

くるみの硬い殻=試練や課題を意味していて、フリッツがそのくるみ割り人形に対して過剰な試練を与えて失敗した。

その失敗したくるみ割り人形をマリーちゃんが労り、命を助けた。

くるみ割り人形はマリーちゃんに恩義と愛情を感じて、素敵なお菓子の国に招待したり、人の姿に戻ってから求婚をした。

 

大まかな流れはこんな感じだと思うのですが、色々と隠喩があって、書かれた時代を考えるとフランスの野望や、ドイツの拡張について提言するための童話ではないかと勘繰りたくなります。

 

  • くるみ割り=試練を乗り越える
  • ねずみの女王の話=過剰な差別や厳罰は罰を科した方に報いがくる。そして、その騒動に初めは無関係だった人も巻き込まれ、事は大きくなっていく。
  • くるみ割り人形とねずみの王さまとの戦い=恨みが恨みを呼んだ戦争
  • 惨敗したけど美しいフリッツの騎兵隊=賞賛される人の誤り
  • フリッツによる騎兵隊勲章の取り上げ=正しい人を再評価することの大切さ

 

途中で、マリーちゃんの兄フリッツに対して「ところでフリッツには、おおいに首を傾げたくなるね、職務遂行中に負傷したものをさらに働かせたがるとはねえ。よき軍人なら、戦傷者をけっして戦列にくわえたりしないことぐらい、心得ているべきじゃないか?」といったお父さんからのセリフがあります。

 

童話にしては、かなり戦に関する描写等が細かい上に、リアリティ溢れる戦模様が書かれています。

 

これをお子様に読み聞かせするんですかね……?

結構難しいお話だったと感じました。

 

少し時間が経ってからまた読み直したい物語です。

 

それでは、またねーヾ(*´∀`*)ノ

 


くるみ割り人形とねずみの王さま/ブランビラ王女 (光文社古典新訳文庫)